hanasi wa kikasete moratta

2014年5月19日月曜日

本日の1枚その3

 ヴォイス・オブ・ザ・ハート カーペンターズ

我が愛しののiPodクラシック160Gでシャッフル再生にて出現した曲のアルバムを徒然と備忘する事とします。あまり聴かないような楽曲も現れますが、そこはそれ。
カレン・カーペンター生涯最後のレコーディング曲として有名なM1の「ナウ」につきます。アルバム全体を通して楽曲のクオリティが弱い気がするのは他のマテリアルが兄妹達の未発表曲集だからでしょうか。弱いとはいってもカーペンターズですのでそこはそれ。

1983年発表のアメリカのチャートでは46位。世の中はMTVブームでヴィジュアル先行のアーティストの売り出しに各レコード会社は躍起になっていました。おりしも新しい世代のロックバンドが世界を席巻しており、よりハードに、より派手に、ティーン世代を狙い撃ちした明るく煌びやかなスポーツ的なロックが世界のメインストリームでした。

ビリー・ジョエルやフィル・コリンズなどの若き実力派アーティストやボブ・ディランやデヴィッド・ボウイなどのキャリアのあるアーティストもMTVやFMラジオなどのメディア戦略により蘇り、新しく若い音楽ファンのリスペクトを得たことでの商業的成功を手中に収めました。

一方カーペンターズ。GoodMusicを静かに聴き入る聴衆相手のオールドスクールの優等生と言った趣きの音楽が入り込む隙はこの時代にはありません。ある種、アンディ・ウィリアムズやパット・ブーンに近い認識のされ方での活動は難しかったのでは無いかと想像できます(確信)

同じ70年代のポップアイコンのABBAは一足先の1981年にラストアルバムを発表してシーンの先頭から離脱しました。比べるのも何なんですがw 80年代と言うのは純粋なポップスが生きていくのは獣道をブラウスとハイヒールで進むような物だったと想像に難なくありません(断言)
上記にあったパット・ブーンはホーンセクションでヘヴィメタルをカバーする暴挙で自らの歴史に泥を塗りました(白目)

カレンと言えば拒食症のイメージで語られがちですが、本領発揮から程遠いこのアルバムでもM1の「ナウ」とM4「Make Believe It's Your First Time」の珠玉のメロディーに乗る彼女の神ヴォイスが堪能できます。バックコーラスもかなり厚みを持たせ、80年代に相応しい音作りになっていながら今聞いても古臭さは感じません。彼女らのアルバムの中でも内容的に一番地味かつ特殊なアルバムではありますがシャッフルでアルバム内の曲が出てきても違和感無く聴けます。

音楽シーンは単純では無く、特に80年代はそれまでの70年代までの音楽の踏襲と90年代以降の音楽の予見が全て集約されたカオスな時代。ダークでマイナス&ライトでプラスのエネルギー、両方求めるこの時代に、繊細なこの手の音楽が沈みがちだったのは本当に惜しいと思います。
てか沈んだ要因は購買者である僕ら当時のティーンが彼女らをあからさまに無視した現実。なんてバカだったのかと・・・WASPとか聴いてるんじゃなかったorz



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